事例紹介

PR保証&出力制御も遠隔対応! 日本の再エネを支えるグローバル標準O&M

福岡市に本社を置き、再生可能エネルギーのワンストップソリューションで先駆的な活動をしている自然電力。ドイツのjuwi(ユーイ)と組んでjuwi自然電力オペレーションを設立し、画期的なO&Mを展開している。

世界的企業のjuwiと組み
開発からO&Mまで全方位に

日本全国で約700MWの太陽光発電開発と約100MWの風力発電開発の実績を持つ自然電力グループ。2011年に設立され、2012年に熊本県でグループ初のメガソーラーを完工。2014年から発電事業に着手し、2015年から風力・小水力発電事業を本格始動。2016年からアセットマネジメント事業ならびに海外事業を展開している。

一方で2013年、太陽光、風力のデベロッパー・EPCの世界的大手、ドイツのjuwi(ユーイ)と共にジョイントベンチャーでjuwi自然電力、juwi自然電力オペレーション(jSEO)を立ち上げた。これにより、再生可能エネルギー事業の開発・EPC・O&Mまでワンストップサービスでできるようになった。

juwiのO&Mはグローバルで風力1GW、太陽光1.7GWの実績がある。そのグローバルノウハウを標準としたjSEOの実績は318MW、国内O&M市場第4位にランクインした(Solarplaza調べ)。風力のO&Mをも行っている点が、他社にはない同社の強みとなっている。

グローバル企業と組んでいるメリットとして、最先端のモニタリングシステムを共同利用できる点がある。juwiのエンジニアと協力し、日本とインドの両国にて発電所の遠隔監視を行っている。

juwiとの協力はO&M分野だけではない。工事でも歩調を合わせている。傾斜地が多いなど日本のその土地ごとの地形・地質の事情に合わせて建設方法をローカライズする。そのため、「最初からメンテナンスしやすい発電所を作れるように情報をお互いにフィードバックしています」とjSEOの佐々木周代表は話す。

自然電力グループの
開発・O&M実績

<グループ会社>
自然電力株式会社(事業開発・資金調達、発電事業、アセットマネジメント、電力小売)
juwi自然電力株式会社(EPC)
juwi自然電力オペレーション株式会社(O&M)
自然電力ファーム株式会社(農産物の企画・販売等)
ながの電力株式会社(地域電力)

グループ保有案件

31件(42MW)
自然電力もしくはその関係会社が所有、または、特別目的会社等を通じて出資している案件を指します。

O&M実績

太陽光314MW
風力4MW
小水力0.2MW

開発実績

太陽光696MW
風力100MW
小水力0.2MW

完工実績

太陽光420MW
風力2MW
小水力0.2MW


那須豊原第一太陽光発電所(栃木県)


合志農業活力プロジェクト太陽光発電所(熊本県)


唐津市湊風力発電所(佐賀県)

(2019年4月現在)

数少ないPR保証を実現
出力制御にも適時対応

日本でのO&Mの課題は「PR(発電効率)保証」だ。投資家が利益を最大化するためには、もともとの発電所が持つ出力能力をO&Mで最高の状態に保つ必要がある。欧米では当たり前の保証だが、日本では瑕疵に対する保証はあっても、PR保証までつける企業はほとんどない。

そこでjSEOでは、juwiのPR保証の標準的な基準を日本仕様にカスタマイズし、PR保証の提供を実現した。これは、同社のモニタリングがストリング単位で、かつ不具合があれば、すぐ現地に技術者を派遣し修復するからこそ可能なのだ。日々のモニタリングから仮説ベースで原因を追及し、主体的に修繕計画を立案、実行していく。より高いPR値を出すことに努めた同社だからこそのサービスだ。

PR保証の重要性は運用面だけではない。今後は既設発電所を売買するセカンダリー市場がより活発になる。その際、追加で費用がかかったとしても、パフォーマンスが上がれば発電所をより高く売却できる。同社の場合、発電所診断サービスで、パネル破損といった基本的な項目から土壌の状態まで詳細にチェックしていく。

さらに、グループで行っている開発の観点から、その発電所が立地している地域の方とのコミュニケーションについても知見を持つ。「ここまで配慮したO&Mサービスは少なく、当社の強みです」と佐々木氏は言う。

地域に利益を還元し、新産業の創出も

一貫した同社の理念は「発電所で生まれた利益をその地域に還元していく」こと。長野県小布施町のながの電力では、地元の小水力発電所で発電した電気を地域に販売する予定。地元農作物を使ったビールを広めたいという熊本県のクラフトビール製造者とビールを企画するなど、地域の新しい産業を生み出す。

昨今、電力会社による出力制御が増えてきた。九州電力管内では2018年度に計26回、2019年も5月中旬ですでに30回実施されている。同社がO&Mを担う発電所が対象となったケースも多い。出力制御を簡単かつ確実に実行したいという事業主のニーズが高まったため、同社は独自システムを開発。遠隔でスイッチを操作し、タイムリーに出力制御できるようにした。

今なら、同社とO&M契約すれば出力制御装置が無料で付くキャンペーンを実施中だ。

PROFILE

juwi自然電力オペレーション株式会社

代表取締役 佐々木 周氏

問い合わせ

juwi自然電力オペレーション株式会社
東京都文京区本郷4-9-22 本郷フジビル2F/3F
TEL:03-3868-0344


撮影/松尾夏樹(NAOTO OHKAWA Photography,inc.)
取材・文/大根田康介

RE JOURNAL vol.1(2019年春号)より転載

Sponsored by juwi自然電力オペレーション株式会社

関連記事

アクセスランキング

  1. 日本の風力発電はどう変わる? 世界有数の風力メーカー・GEが描く未来
  2. 太陽光マーケットは、発電側基本料金の導入と廃棄費用積立の義務化へ
  3. 15歳の少女が始めた「気候変動に対する抗議活動」。今や全世界規模に発展!...
  4. サプライチェーンにも及ぶRE100のインパクト! 太陽ホールディングスの挑戦とは?...
  5. 系統柔軟性―― そこに蓄電池は必要か? 系統問題の第一人者に聞く!
  6. 国内外風車メーカーの提携が活発化! 日本市場での本格展開へ
  7. 目標達成が30社超!? 世界のRE100の現在地を知ろう!
  8. PR保証&出力制御も遠隔対応! 日本の再エネを支えるグローバル標準O&M...
  9. 500kW以上の太陽光は入札制に移行、出力制御の対象は500kW未満まで拡大
  10. 日本は出遅れている? 電気の生産から貯蔵まで”プロシューマージャー”時代へ...

フリーマガジン

「RE JOURNAL」

vol.02 / ¥1,000
2019年12月26日発売