事例紹介

除塵装置で小水力発電の普及促進に貢献、日本エンヂニヤ

「水道」で蓄積した技術を展開して「小水力発電」分野に挑戦する日本エンヂニヤの牧志龍男社長に、注力する除塵(じょじん)装置などについて聞いた。

――注力する事業は。

1973年に創業し、水道施設に関わる仕事をしていました。約10年前、エネルギー安全保障の観点で、再生可能エネルギーに関心を持ったことと、東日本大震災が一つの契機となり、原子力発電の今後への不安感から、水道の仕事と水力発電の関連性が非常に高いということで参入しました。

小水力発電向けに、水車の取水口にゴミが詰まらないようにする除塵(じょじん)装置を開発し、今では小水力発電の普及促進に貢献しています。

小水力発電が普及が地域振興につながったり、日本のエネルギー問題として、二酸化炭素(CO2)の排出削減にも役立てると考え、これらに取り組んでいます。

われわれに「追い風」、2050年脱炭素宣言で

――今後の再エネの需要、事業の展望は。

再エネの需要はこれからますます高まっていくと予想しています。最近、菅義偉首相も「2050年カーボンニュートラル」に取り組むと明言されていますので、われわれにとって追い風だと思っています。

われわれも除塵装置だけでなく、水車や制御盤の販売から据付工事、出来上がった施設の監視システムなどを含め、水力発電に総合的に関わっていきたいと考えています。

除塵装置の技術は、水力発電に限った話ではないので、日本の農業用水の管理に関わる負担軽減の観点からも役に立つと思っています。再エネが日本の農業、食料の自給に役立てばいいと考えています。

話を聞いた人


日本エンヂニヤ株式会社
代表取締役社長
牧志龍男氏


文:山村敬一

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