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不動産よりもオススメ!? 太陽光発電投資が「安定利益」を狙えるワケ

FIT制度や世界的なエネルギー変革の流れにより、太陽光発電投資が注目を集めている。地球環境に貢献できる素晴らしい投資であるが、果たして経済合理性はあるのだろうか。環境経営コンサルタントの村沢義久氏に話を伺った。

太陽光発電投資は
「お天気任せ」で安心できる

発電量は日照量により変動する。しかし、統計を調べてみると、たまに10~20%程度のブレがあるものの、大体は「平年」比数%の範囲に収まっている。

例えば、1999年から2018年までの20年間の日照時間の平均を100とした場合、最高は2004年の109、最低は2006年の81であった。これをある低圧案件(買取価格24円)に当てはめてみると、「平年」における売電収入は約200万円である。一方、経費の方はほぼ全額が固定費であり、ローン返済を含む総コストは120万円なので、手取りキャッシュフローは80万円だ。

もし、残りの買取期間中に、2006年並みの「最悪」が起こったとしても、売電収入は160万円まで下がるが、そこから120万円を引いても40万円が残ることになる。2004年のように大きくプラスになる年もあるので、20年間でならして考えると、経済的には非常に安定していることが分かる。

太陽光発電投資の
表面利回りとIRRは優れている?

ある設備の表面利回りが10%であるとしよう。仮に、どこかの銀行で金利10%の定期預金があったとして、どちらが有利なのだろうか。両者は、1000万円の投資に対して毎年100万円が入ってくるという点では同等だ。

一番の違いは期間終了後の価値。定期預金だと、元本1000万円が戻ってくるが、太陽光発電の場合は、買取期間後の運転延長がないとすれば価値はゼロになる。

このような性格の違う投資対象の経済性を比較するのに使われるのが、IRRという指標。金利10%の定期預金のIRRは10%だが、表面利回り10%の太陽光発電の場合は7.75%になる。

だから、金利10%の定期預金があれば、そちらの方が有利、ということになるが、日本における実際の金利は0.1%にも届かないから、現実世界では、太陽光発電の圧勝である。

では、利回り5%の不動産投資と比較した場合はどうか。これは、20年後にいくらで転売できるかによる。太陽光発電並みの7.75%を稼ぐためには、計算上2倍の2000万円以上で売れなければならないことが分かる。これらの比較から、太陽光発電が非常に魅力的な投資対象であることは間違いない。

2019年度には買取価格は14円まで下がっているが、コストも比例して下がっているので、利回りは維持されている。しかし、太陽光発電の最大の魅力は、地球温暖化の抑制に貢献できることであることを忘れてはならない。

プロフィール

環境経営コンサルタント
(合同会社 Xパワー代表)

村沢義久氏

東京大学工学修士。スタンフォード大学MBA。経営コンサルティング会社日本代表、ゴールドマンサックス証券バイスプレジデント(M&A担当)などを歴任の後、2005年から2010年まで東京大学特任教授。2010年から2013年3月まで同大学総長室アドバイザー。2013年から2016年まで立命館大学大学院客員教授。現在の活動の中心は太陽光発電と電気自動車の推進。

Twitter:@murasawa

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