太陽光ビジネス

「リユース」の太陽光パネルを人工光植物工場で活用 製造装置メーカーのNPC

リユース(再利用)の太陽光発電システムを完備した自社の人工光植物工場(愛媛県松山市)で野菜を栽培して一般消費者向けに出荷するなど、「脱炭素」を強く意識した事業を展開する企業がある。太陽光パネル製造装置メーカーのエヌ・ピーシー(NPC)だ。代表取締役社長の伊藤雅文氏に主力事業や「脱炭素」への取り組みなどについて聞いた。

「脱炭素」を意識、新規事業は「サステナブル」重視

――主力事業を教えてください。

基本的に製造装置メーカーです。本業が製造装置、いわゆる工場でものづくりをする装置、製造ラインを提供する会社です。主な相手先は太陽電池メーカーです。

これまで世界中の太陽電池メーカーに太陽電池、太陽光パネルを作るための装置を提供してきており、今でも継続しています。現在、主にアメリカの太陽電池メーカー、特に薄膜太陽電池メーカー大手の米ファースト・ソーラー向けに多くの装置を提供しています。

製造装置だけではなく、日本でのFIT(固定価格買取制度)が始まった2012年から、日本の太陽電池メーカーから太陽光パネルのOEM生産も請け負いました。また日本国内での比較的大型の太陽光発電所を現地で検査できる装置の提供・サービスも提供しています。

このほか、14年から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究委託案件として、太陽光パネルのリサイクルを受託し、無事に2018年に終了しました。そして19年からその研究成果として、太陽光パネルの解体装置の提供を行っています。

その他、パネルのリユース事業も手掛けています。その意味で、太陽光パネルを作るところから壊して処分するところまで一貫したサービスを提供している会社です。太陽電池以外では、自動車、電子部品などの関係でFA(工場自動化)装置を提供する事業を17年から本格的に始めています。

また21年から人工光植物工場事業をスタートしました。LEDライトを使った工場内で植物工場栽培を行っています。21年3月に準備ができ、4月に初収穫して出荷を始めました。特徴は単なる工場ではなく、工場の屋根にリユースの太陽光パネル、いわゆる安価な中古パネルを使った発電システムを設置して一部電気を賄っている点です。

LEDの電気消費量は非常に高いのですが、代わりに太陽光で賄おうということでビジネスを始めました。当社はもともと太陽電池関係の事業をずっとやってきていますので、その意味で、サステナブルなビジネスをずっとやってきていることになります。今後も新しい事業展開を考えていますが、基本的に、サステナブルな事業を行っていこうと考えています。

――「脱炭素」の取り組みは。

愛媛県松山市に大きな工場があり、FIT(固定価格買取制度)の前ですからもう12年ぐらいたちますが、日本の9社の太陽電池メーカーからパネルを購入し、発電して、今も自家消費しています。もう一つの建屋では約300kWのシステムを導入し、FIT対象として売電しています。

次に、先ほど申し上げた人工光植物工場栽培用に約200kWの発電システムを導入し、自家消費をして賄っています。当社の事業自身で太陽光を作るという点で、間接的に「脱炭素」をサポートしています。

また、品質の高い検査サービスを提供することによって、発電量を維持できるということは、間接的に脱炭素に貢献していることになります。パネルのリユースも中古品を有効活用して、新しいパネルを作らないということも、脱炭素につながっています。

さらに、当社は太陽光パネルのリサイクル装置の提供や、松山工場では自社装置を設置し、実際に中間処理業務も行っています。このようなリサイクル体制ができれば、産業廃棄物処理による環境負荷を抑えてリサイクルできるという点で、脱炭素に貢献していけると考えています。

▼話を聞いた人


株式会社エヌ・ピー・シー(NPC)
代表取締役社長
伊藤雅文氏


文/山村敬一

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